ダイハツ工業(株)の型式指定申請における不正行為について 2023年12月20日 ものづくり/情報/流通・サービス 本日、ダイハツ工業より、型式指定申請における不正行為に関する同社の調査結果の報告を受けました。 この報告の中で、5月に報告があった2車種を含む国内向けの現行生産・開発中の全車種、及び生産が終了している一部の車種において、型式指定申請に係る不正行為が確認されたこと等の報告がありました。 型式指定申請において不正を行うことは、自動車ユーザーの信頼を損ない、かつ、自動車認証制度の根幹を揺るがす行為であり、今回更なる不正行為が明らかになったことは極めて遺憾です。 これを踏まえ、経済産業省は、同社に対し、(1)顧客・取引先への適切な対応、(2)十分な対外説明、(3)原因の徹底究明・再発防止策を実施するとともに、取組状況について速やかに報告するよう指導しました。 1.ダイハツ工業からの報告概要 (1)同社が設置した第三者委員会の調査により、新たに以下の事項が判明。 5月19日に報告があった2車種を含め、国内向けの現行生産・開発中の全車種(28車種)・1エンジンにおいて、型式指定のための申請における不正行為が確認された。 不正の内容は16項目に及び、フルラップ前面衝突試験での不正のほか、制動装置等の試験成績書の虚偽記載等の不正行為(計82件)が確認された。 国内向けの生産が終了している一部の車種(18車種)・3エンジンでも不正行為(計60件)が行われていた。 (2)同社による検証の結果、計142件の不正行為のうち141件は基準適合性、諸元値の妥当性を確認済。1件は不適合の可能性があり原因調査中。 (3)同社は、5月より出荷停止している2車種を含め、全ての現行生産車の出荷を自主的に停止。 (4)同社は、第三者委員会の調査結果・提言を踏まえ、再発防止に取り組む。 2.経済産業省の対応 (1)ダイハツ工業からの報告を踏まえ、同社に対し以下3点を指示するとともに、取組の状況について速やかに報告するよう求めました。 情報提供など顧客・取引先への適切な対応 問題の経緯や今後の対応についての十分な対外説明 原因の徹底究明、再発防止策の実施 (2)生産停止に伴う同社のサプライヤー等への影響を速やかに調査し、必要な対策について検討を行います。 担当 製造産業局 自動車課長...
企業は社会において経済活動を支え、雇用やサービスを提供する重要な存在です。しかし一方で、不正行為や非常識な対応が発覚すると、その影響は計り知れません。近年では粉飾決算や情報隠ぺい、従業員への不当な扱い、顧客への誠意を欠いた対応など、数々の企業不祥事が報じられてきました。これらの行為は、経営陣の倫理観の欠如やガバナンスの不備、短期的な利益追求への執着などが背景にあるといわれています。 不祥事が一度表面化すると、企業のブランド価値や株価は急落し、取引先や顧客との信頼関係は容易には回復できません。さらに従業員の士気低下や離職の増加といった内部崩壊も引き起こします。社会における企業の責任は単なる利益追求にとどまらず、透明性や誠実さをもって行動することにあります。 本稿では、過去に起きた企業のトラブル事例を振り返り、その原因や組織文化の問題点を明らかにするとともに、再発防止のための取り組みについて考察します。非常識な行為がなぜ生じるのか、どのように防ぐべきなのかを多角的に検討し、持続可能な企業経営に向けた教訓を提示します。