[フリーアナウンサー 笠井信輔さん]悪性リンパ腫(2)「ステージ4」最後に爪痕を残したかった…と「徹子の部屋」に | ヨミドクター(読売新聞)
2019年11月、血液のがん、悪性リンパ腫と妻に伝えると、「確かめるためセカンドオピニオンを取って」と言われた。別の病院を見つけて、検査をやり直し12月初めに同じ診断が出た。悪性リンパ腫は約90種類に分けられるが、自分は「びまん性大細胞型B細胞リンパ腫」で、最も進んだステージ4だった。
医師は「手遅れという診断ではありません。このがんは合う薬が見つかれば乗り越えられます」と言う。しかし、脳転移しやすいなど悪い話ばかり。「俺、死んじゃうのか」と思わずにはいられなかった。
医師からは2日後に入院するように促されたが、2週間の先延ばしをお願いした。ある番組の出演予定があったからだ。出演を希望しても1年待ちという“業界伝説”がある黒柳徹子さんのトーク番組「徹子の部屋」(テレビ朝日系)。この仕事は特別だった。
「治療を始めたら、テレビ出演はもうないかもしれない。この番組に呼んでいただけるような人間だったと最後に爪痕を残したかった」
腰骨から発生したがん病変は激しい腰痛を起こした。肩や 肋骨 にもあった。収録までの2週間、ほかの仕事をキャンセルはできない。病気を伏せて、激辛料理を食べるバラエティー番組から講演会、密着取材までやり抜いた。
12月19日入院。医師からは「最低4か月、1年かかる場合もある」と言われた。
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フリーアナウンサー 笠井信輔 さん(58)

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